都市型酪農、多角化経営にカジ 近隣農家を巻き込み好循環 (2/5ページ)

2012.10.23 05:00

オリジナル乳製品の販売を手掛ける「磯沼ミルクファーム」の磯沼正徳さん=東京都八王子市

オリジナル乳製品の販売を手掛ける「磯沼ミルクファーム」の磯沼正徳さん=東京都八王子市【拡大】

 農業の未来像も示唆

 大手乳業メーカーなどで製造する牛乳の小売価格は通常1リットル200円前後。これに対し、「みるくの黄金律」と名付けた同牧場のオリジナル牛乳は、900ミリリットルで840円と高額だ。

 それでも、深い味わいで人気を集め、ヨーグルトなども含めたオリジナル乳製品全体の年間売上高は約3000万円。磯沼さんは「小規模経営だからこそ、コストがかかっても品質にこだわれる」と、その経営判断に揺らぎはない。

 消費地との距離近く

 北海道の大規模酪農と比べ、都市近郊の酪農家の経営環境は厳しい。農林水産省の調査によると、北海道の酪農家戸数は、1960年からの約50年間で10分の1程度にまで減少したが、1戸当たりの乳牛飼育頭数は約36倍に増加するなど集約化が進む。

 一方、東京、神奈川などの都市圏は、戸数が40分の1から100分の1に減った上、1戸当たりの規模も13~15倍にとどまる。

都市近郊の酪農家を悩ませるのは割高な経営コスト

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