オリジナル乳製品の販売を手掛ける「磯沼ミルクファーム」の磯沼正徳さん=東京都八王子市【拡大】
特徴が際立った磯沼さんの商品づくりに、流通各社も注目しており、昨年、百貨店最大手の三越伊勢丹が取り扱ったほか、現在も系列の「クイーンズ伊勢丹」が一部店舗で販売する。他の北海道以外の酪農家の乳製品も、高島屋や高級スーパー「成城石井」で店頭に並んでいる。
拡大販売にも貢献
一方、酪農家の経営多角化が、近隣農家の販路拡大に貢献するケースもある。
神奈川県伊勢原市にある「石田牧場」の石田陽一さん(28)は昨年3月、牛舎の隣接地で、牧場でとれる生乳を原料にしたジェラート専門店「めぐり」をオープンした。
食品加工を学んだ妻、早恵さん(26)のノウハウを生かそうとしたことがきっかけだ。今ではリピーターも増え、初年度の売上高は約2200万円になった。
常時、12種類をそろえるジェラートは、近隣農家が作った野菜や果物が練り込まれる。