そして実効支配権を失った領土は実質上、もはや日本の領土であるとはいえない。しかも、「尖閣に安保適用」とする米国政府と議会の立場はまさに「尖閣への日本の施政権」を前提とするものだから、日本による施政権の放棄は結局この前提を覆してしまい、いざというときに米軍が尖閣の防備に駆けつけてくれるという抑止力を失うこととなる。その結果、尖閣はいずれか中国からの軍事攻撃にさらされるのかもしれない。日本は「尖閣決戦」に完敗してしまい、領土と尊厳を失うことになる。
もちろん、国益と主権を守ることを何よりも重んじる安倍政権は決して、中国政府の「詐欺」にはまるようなことはしないと思う。尖閣への実効支配を絶対放棄しないというのは、どんなことがあっても日本政府の守るべき最後の一線である。安倍政権もきっと、この一線から一歩も譲らないはずである。