ヤフー参入でＦＸ界激動　スマホ取引本腰　顧客獲得争い激化、再編も (1/4ページ)

　規制強化などによって取引業者の淘汰（とうた）や合従連衡が進むＦＸ（外国為替証拠金取引）業界に、インターネットの“巨人”が参入し、波紋を広げている。ポータル（玄関）サイト最大手のヤフーが、サイバーエージェントのＦＸ事業を買収。圧倒的な知名度とサイト利用者数を生かし、好スタートを切ったようだ。ヤフーに加え、楽天もＦＸを再強化している。

　昨年１１月中旬からの円安進行や、スマートフォン（高機能携帯電話）の普及を背景にＦＸ市場が再び活性化している中で、ネット２社の攻勢により顧客獲得競争はさらに激しさを増しそうだ。

　サイト活用首位狙う

　「ヤフーがやるからには、業界首位を目指す。数年内には実現したい」。ヤフーが全株式を取得した「サイバーエージェントＦＸ」の伊藤雅仁（まさひと）社長はこう意気込む。

　矢野経済研究所によると、ヤフーが買収する前の昨年１２月のランキングで、サイバーＦＸは売買高と預かり資産残高で３位、口座数で４位だ。いずれも首位とは開きがあるが、伊藤社長は家庭と職場を合わせた１カ月の利用者が５０００万人近いポータルサイト「ヤフー！ジャパン」を活用することで、首位奪取は十分に可能とみている。