就任早々、量的緩和を強化するとみられる黒田東彦日銀総裁。「リフレ派」の手腕に注目が集まる=11日午前、国会・参院第1委員会室【拡大】
中でも、金融緩和を通じて物価を引き上げ、景気回復を実現すると唱える「リフレ派」の岩田氏は、日銀政策の課題といった持論を述べた。「ブレない理論を持つ人は『折れない矢』になる」(首相周辺)との好印象を残した。
首相には前回の首相就任直前、官房長官だった自分の制止を振り切って日銀が量的緩和政策解除を決めた結果、デフレ脱却に失敗したという「悔い」がある。日銀総裁・副総裁人事でリフレ派の起用することに、ぶれはなかった。
4日後の19日夜、首相は東京・永田町の日本料理店で旧友とテーブルを囲んだ。自民党の塩崎恭久政調会長代理、みんなの党の渡辺喜美代表ら第1次安倍内閣の閣僚を務めた面々だ。
「みんなの党を納得させることが大事だね」
首相はしゃぶしゃぶの肉をあっという間に平らげて追加注文すると、次期日銀総裁人事について話を振った。
自民党は、連立を組む公明党を足しても参院で過半数に足りない。衆参両院の同意が必要な日銀人事では、みんなの党の協力を取り付けたかったのだ。