だが、大幅な買い越しとみられていた個人は、2月4日から3月1日の1カ月間に3135億円の買い越しだったものの、3月4日から15日までに2790億円の売り越しとなり、1月から3月22日まで2046億円の買い越しとなった。
こうしてみると、保有資産の時価評価増大のメリットを最大に受けたのは、日本国内の個人や機関投資家ではなく、海外投資家だったということがわかる。アベノミクスの序盤の好調な滑り出しは「海外投資家の期待に働きかけた」結果と表現できるのではないか。
一方、個人の動向について、第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏は、株価の上昇が誘因となって保有株を換金売りした向きが多かったのではないかと指摘する。
日銀券発行残高の伸びが、今年1月、2月と3%台に上昇しているのは「株を売って手元に現金を滞留させている個人投資家の動きを反映している可能性がある。足元で高額商品の売れ行きは良くなっていることとも整合的だ」という。