ジャポニカ米の品薄が続くスーパーで、品ぞろえが豊富なタイ米が大量に積み上げられたコーナー。店員は「値段はこれまでどおり」と言うが【拡大】
なぜ、タイで日本のブランド米が生産されているのか。理由は、(1)戦時中に旧日本軍が持ち込んだ「末裔(まつえい)説」(2)旧食糧管理法時代に加工向けの抜け道として持ち込まれた「抜け道説」(3)日本が深刻なコメ不足となった1993年に将来に備えて商社が持ち込んだ「商社説」(4)タイに輸出した脱穀機に種籾(たねもみ)が付着していた「脱穀機説」-など諸説紛々(ふんぷん)あるが、実際のところはよく分かっていない。
ともあれ、北部タイはジャポニカ米の重要な供給地。収穫されたジャポニカ米の大半が首都バンコクの市場に向かう。空前の日本食ブームが続くタイでは、ジャポニカ米の需要が数年前から急増。次々とオープンする日本食レストランやすし店では、先を争うようにタイ産のジャポニカ米が使われている。
タイ産のジャポニカ米はタイ米よりも高値で取引される。もともとタイの農家は所得が低いため、水分や農薬の管理など手間や費用はかかっても、高値で買い取ってくれるジャポニカ米は魅力だ。需要が高まった数年前から、北部タイの水田では、それまでのタイ米からジャポニカ米に栽培品種を切り替える農家が相次いだという。