ジャポニカ米の品薄が続くスーパーで、品ぞろえが豊富なタイ米が大量に積み上げられたコーナー。店員は「値段はこれまでどおり」と言うが【拡大】
この施策によって、さまざまな“ゆがみ”が生じている。最大の弊害は、タイ米市場価格の上昇だ。政府の大掛かりな買い上げに伴い、タイ米の市場価格は12年から急騰した。バンコクのコメ卸売業者によると、「少なくとも20~30%は上昇した」という。
この結果、タイの米菓業界ではデンプンより安かったタイ米の入手が困難となり、中には倒産に追い込まれた地元企業もある。国外移転を検討する外資企業も出てきた。
品種転換に走る農家
米価急騰にいち早く反応したのが、北部タイの農家だった。かつて現金収入を増やそうとタイ米からジャポニカ米に種籾を替えた農家が、こんどは政府の買い上げ策がきっかけとなって、再びタイ米に種籾を替えようとしている。
前述のコメ卸売業者も「昨年後半以降、タイ米に種籾を替える農家が急激に増え、ジャポニカ米の生産量が一気に減った」と証言する。