喜怒哀楽たっぷりの“お茶の水博士”　米国の名物トレーダー (1/4ページ)

　仕草（しぐさ）と表情だけで何が起きているかが分かる。ニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）でトレーダーを務める米国クアトロＭ証券の上級副社長、ピーター・タックマン氏の表情はそれほど喜怒哀楽に富んでいる。

　頭頂部は禿（は）げ上がり、白髪が両脇に残る独特な髪形。まるで故手塚治虫氏の漫画「鉄腕アトム」に登場するお茶の水博士のような風貌だが、世界経済の浮き沈みにかかわるニュースが報道されると、この人の写真も世界を駆け巡る。

　どんな職場、業界でも“名物”となるような仕事師の存在は活力源になる。地盤沈下が叫ばれる大阪だが、かつては、そうした活力源となる人物がいたが…。

　「何より仕事を愛している」

　タックマン氏の「ウォール街」での経歴の始まりは１９８５年。９０年代は別の証券会社で働き、独立。豊富な経験を買われ、２０１１年からクアトロＭ証券に移った。

生き馬の目を抜くような「戦場」