例えば、かつて石油会社に勤め、アフリカに住んだことがあり、好きな国はノルウェー。理由はビールがうまく、いい女性がいるから。好きな食べ物はロブスターとアラスカのタラバガニとキャビア。音楽が好きで、サックスが吹け、アフリカの打楽器も演奏できる。そして何より仕事を愛している…。
名物がいなくなれば、活力も失われる?!
さて、どこにも名物となる人はいる。小さなコミュニティーや会社、業界、そして社会そのものに…。どんな単位でも、名物の存在は大きな活力になる。
大阪市の中心部にある中之島公会堂建設に尽力し、「義侠の相場師」と呼ばれた岩本栄之助は、その一人だ。
現在の大阪・船場生まれで、明治39年に父の家督を相続し、株式仲買人になった。同40年の株式市場の大暴落時に、大阪株式取引所の仲買人らの要請を受けて、全財産を投じて市場を買い支えた。