インドネシア伝統回帰、バティック拡大 「世界遺産」認定で弾み (1/3ページ)

2013.5.23 10:20

バティックの愛好家たちが3月、日本大使公邸で各国大使夫人などを集めて開いた鑑賞会=ジャカルタ(「じゃかるた新聞」宮平麻里子撮影)

バティックの愛好家たちが3月、日本大使公邸で各国大使夫人などを集めて開いた鑑賞会=ジャカルタ(「じゃかるた新聞」宮平麻里子撮影)【拡大】

 インドネシアの伝統工芸として知られるろうけつ染め布地「バティック」を用いた衣料品の販売が伸びている。きっかけとなったのは、バティックが2009年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形文化遺産に認定されたこと。政府機関が毎週金曜日のバティック着用を奨励し、制服として導入する学校も増えるなど、伝統文化への意識が高まっている。

 バティックの製作では、木製の棒の先に細い棒状の管の金具が付いた道具「チャンティン」で布地にろうを垂らし、手描きで柄をつけた後、染色していく。銅型押しの「チャップ」を使うこともあるが、手間がかかる手描きの方が値段が高い。

 バティックはインド更紗(さらさ)の影響を受けてジャワ島から各地に広がり、民族衣装などに使われるようになった。モチーフは草花や動物など千差万別で地方ごとに特色がある。

 中小振興、政府後押し

 シャツであれば、1000~2000円台が主流だが、シルクを使った手描きの高級ブランド品になると数万円のものまであり、値段の幅も広い。

政府も中小企業振興策として力を入れている

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