アフリカ・モロッコで栽培された唐辛子=2011年9月(小林桂の常深克典さん提供)【拡大】
そこで翌10年は、安全な唐辛子を栽培できるかをチェックした。その結果、畑の管理さえ怠らなければ菌の発生を抑えることが可能だと分かった。つまり事業化のめどがたった。
国内でも動きがあった。日本貿易振興機構(ジェトロ)による支援策の活用だ。常深は当時、直接の担当ではなかったが、その支援策活用で唐辛子栽培を軌道に乗せられないかと思い描いていた。小林に直談判し、了承を得た上で、ジェトロの審査の末、支援を受けられることになった。
代替産地化を目指した唐辛子プロジェクトは動き始めた。が、懸案はまだあった。ひとつは農業経験のなさだ。アジア、アフリカ各地で異なる収穫方法や農薬頒布、価格設定は…。解決しなければいけない課題は山積していた。
「きっと壁は乗り越えられる…」
常深はプロジェクトの担当に任命され、10年7月に現地に向かった。
「どれだけ準備しても不安はなくならなかった。ゼロからのスタートでしたから」
関西国際空港から飛行機で現地に向かったが、その間ほぼずっと、ミスターチルドレンの「終わりなき旅」を聞いていたという。