日経平均株価と円ドルレート【拡大】
新興国では足元で、「株、債券、通貨のトリプル安となっている」(第一生命経済研究所の西浜徹主任エコノミスト)。新興国に資金を貸し出している欧米の金融機関の財務悪化を懸念する声も出始め、リスク回避の連鎖懸念が深刻化している。
世界市場動揺の背景にあるのは、米国の金融緩和縮小懸念だ。今月18~19日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、縮小懸念を和らげる内容が打ち出されるかが注目される。一方、「FOMCをうまく乗り切っても、リスクはくすぶり続ける」(SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミスト)との見方も根強い。
また、海外要因が大きいとはいえ、安倍政権の経済政策が出そろった後の急落は、改めて株式市場の期待に応えきれていない状況を印象づけた。追加の成長戦略を望む声がある一方、「現在のメニューでも、実行力を示せば海外投資家の見方も変わる」(三菱モルガンの藤戸氏)との指摘もあり、“次の一手”が注目されている。