広大な岩木農場を巡回する黄金崎農場の佐々木君夫社長=6月中旬、青森県弘前市【拡大】
夢は地産地消ネット TPPにひるまず
「日本最大の土地利用型(ビニールハウスなどを使わない露地栽培)農業をつぶすわけにはいかない」というのが、その理由。5年間は、返済額を年間1万円にとどめる異例の対応が取られた。佐々木は、黄金崎農場の経営破綻が全国の農家に与える心理的影響を政府が懸念したためではないかとみている。
佐々木は全国の顔見知りの農業法人経営者に出資と経営陣入りを柱とする支援を要請。2005年、黄金崎農場は株式会社に改組し、19年間で債務を返済する再建計画をスタートさせた。
これに合わせ、佐々木ら創業以来のメンバー3人は農場の役員を解任される。それだけではない。出資者としての権利も奪われたのだ。佐々木にはこのときの悔しさが忘れられない。「いろんなことをやり、いろんな失敗をし、カネにも苦労し、最後に社長をクビになった」
とはいえ、黄金崎農場を切り盛りできるのは佐々木をおいて他にはいない。再び経営の現場を託された。農場はここ数年、着実に利益を生み、再建も軌道に乗ってきた。安倍政権が農業の成長戦略を掲げる中、外部から黄金崎農場への出資や提携の提案が相次ぎ、新たな飛躍の可能性も広がっている。