第一は食べ物に必ず熱さを求め、冷たいものを敬遠するタイプだ。これは中国圏。漢方の影響もあり衛生的な問題も影響しているのかもしれない。特に古い世代では日本料理は冷たいものばかりで体によくないという人もいたようだ。
「私も中国に数年間いましたので、知らず知らずにこの感覚に影響されてしまい、料理は必ず熱くなければいけないと思ってしまいます。ただし最近は冷たい食べ物も増え、ビールも冷やす人が増えました。昔に比べて感覚は多様化してきているようです」と斎藤さん。
二番目は熱さが苦手で常温のものを平気に食べるタイプ。
マレーシアやインドネシア圏だ。中国圏とは反対に熱さにはこだわらない。なんとなく「ぬるい感じ」だ。インドネシアのパダン料理がその典型である。常に作り置きの小皿料理が準備されていて、席に着くと、それらがテーブルの上にざっと並べられる。お客さんは好きなものだけを食べ、食べたものの分だけ清算する。手で食べることが多い。