日本郵政とコンビニ、生保の比較【拡大】
民営化の成否握る「新規業務」
それは、監督官庁の認可という規制の足かせで、自由に新規業務が行えないゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社とは異なる郵便事業会社のフットワークの軽さを活かし、郵便局ネットワークを使った「新規業務」による実利を取る戦略への転換を意味する。
「郵便局ネットワークと金融2社の業務をいかに有機的に結合できるかが、株式上場のキーポイントになる」。日本郵政の株式上場を最大の使命と考える西室泰三社長の言葉は、郵便局ネットワークの徹底活用こそが成長戦略のカギであることを象徴している。
金融庁の認可や民間金融機関の反対といったハードルを乗り越えて、学資保険や住宅ローン、中小企業向け融資などの新規業務に乗り出すには、金融2社の上場も不可避だ。
ユニバーサル(全国均一)サービスの維持という「守り」から、国内最大の営業拠点網を武器に「攻め」に転じる郵便局ネットワークの活用が「郵政民営化」の成否を握ることになりそうだ。(芳賀由明)