安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で円安が進んだことなどを背景に、外国為替証拠金取引(FX)の活況が続いている。店頭FXの取引高は4月に400兆円を初めて突破。1~7月の累計は前年同期比約3倍の2880兆円に上った。取引の参加者が増えるにつれ、二者択一の騰落予想や自動売買など新サービスが続々登場。一方、取引のリスクの大きさから当局や業界による規制が強化され、より信用力の高い仲介事業者への投資家のシフトが始まっているとの見方もあり、淘汰(とうた)の動きが今後加速する可能性もある。
円安追い風に急拡大
パソコンの画面上に並んだ数千項目のそれぞれに、2つの国旗が並ぶ。異なる通貨のペアや投資手法がインプットされた「売買戦略プログラム」の中から、個人投資家は気に入った戦略を選び、金額を入力すると取引が始まる。プロの投資家の戦略を鏡に映すように再現する「ミラートレーダー」だ。
「システムトレード」と呼ばれる自動売買サービスの一つで、イスラエルの金融商品開発会社トレーデンシーが独自に開発。システムトレードの国内シェアの約半分を占め、FXの顧客拡大を後押しした。