求められる信用力 さらなる再編・淘汰も
昨年12月にも、ポータル(玄関)サイト最大手のヤフーがサイバーエージェントFXを買収。サイバーFXは、スマートフォン(高機能携帯電話)向けのアプリの利便性をさらに強化するとともに、これまで扱っていなかったバイナリーオプションを、規制に対応した上で9月から取り扱う方針だ。
同社は「業界を取り巻く環境は非常に速いペースで変わっている。常に新しいことをやっていく必要がある」(伊藤雅仁社長)としている。
取引量が拡大したといっても投資家を呼び込んだのが、変動の大きい円ドル相場の動きだけに、円-ドルのペアによる取引が圧倒的に多い。どの事業者も、最も人気の高いこのペアについては低い手数料を設定していることから、収益率が下がっているのが現実だ。
カブドットコム証券の斎藤正勝社長は「FXは、かつてのようなドル箱ではなくなった」と嘆く。
業界関係者は「知名度が高く信頼の高い金融グループに属しているFX業者のサービスに、取引参加者が流れる傾向が出ている」と指摘。さらなる業界再編や淘汰(とうた)が進む可能性がある。 真の顧客ニーズをとらえ、法令を守りながら斬新なサービスを提供できる業者だけが生き残る厳しい戦いとなりそうだ。(佐藤裕介)