かねて指摘されてきた人件費高騰も相変わらずだ。今ではタイやマレーシアに匹敵する賃金水準で、労働集約型の繊維産業などは生産拠点としてのメリットが減少した。
だからといって、日本企業が一斉に中国から手を引こうとしているわけではない。特に大企業は粛々と事業を継続しているところが多い。
中国事業を行っている企業に対しジェトロが実施した8月の調査では60・7%が「既存事業の拡充や新規事業を検討」と答え、今年1月時点の58・1%を上回った。政治リスクが高いとはいえ、巨大な中国経済はやはり無視できないとの見方は根強いのだ。
これに対し「既存事業の縮小・撤退を検討」と答えた企業は7・7%だ。多くはないが、1・9%しかなかった10年12月と比べ企業のマインドが急速に低下したことは明らかだ。今年1月(7・3%)と比べても増えている。中国事業に対するスタンスは、積極姿勢と消極姿勢で二極化の傾向を強めているのである。