それを端的に示すのが企業の交易条件である。交易条件とは販売価格と仕入れ価格の差のことで、「DI」は価格が上がっている企業の割合から、下がっている企業の割合を差し引いたもの。販売価格「DI」から仕入れ価格「DI」を、さらに差し引いたのが本グラフだ。
これまでの15年デフレの間、この交易条件DIは悪化しっぱなしでマイナスが続いてきたが、短期的には円高局面で改善し、円安局面で悪化する。ところが、安倍政権が発足した昨年12月以降、円安が急速に進むのと並行して中小企業の交易条件は急激に悪化したままなのに、大企業は4月以降、改善している。
来年4月の消費税増税後はどうか。馬場氏らは、「日本では、輸出主導の成長は大企業に対する生産誘発効果が大きい」「民間消費などは中小企業に相対的に大きな収益をもたらす。消費税増税後に民間消費が頭打ちとなり、輸出主導の色彩が強まってくると、収益格差はますます広がる可能性がある」と論じているが、全く同感である。