中国各地の工業増加値(1~7月)【拡大】
中国が1~7月の全国値として提示して公表している伸び率は前年同期比9・4%。ところが31市・省・自治区が個別に提出している値を見ると、25省・市・自治区が全国値を上回り、下回るのはわずか6省・市しかない。
地方発表が正確なら、中国は沸き立つような好景気に包まれていなければならない。ところが中国の実態はGDP伸び率が鈍化し、景気の減速が目立っている。
小役人の点数稼ぎ
なぜこのような乖離が生じるのか。
日本総合研究所の三浦有史主任研究員は「地方が中央への点数稼ぎのため、水増しをしている可能性がある」と指摘する。仮に地方の指標が正確であれば、中央発表の工業増加値は10%を優に超えなければならないという。
一方、中央発表側の数字について、三浦氏は「地方の水増しを認識し、独自のデータで計算しているようだ」とする。