中国各地の工業増加値(1~7月)【拡大】
当局は地方の水増しを抑制できないまま、自身のデータを入れ込んで統計を公表しているのだ。
実際、中国国家統計局は今年6月、広東省中山市の横欄鎮(町)が2012年の工業総生産を実態の4倍近くに膨らませて報告していたと公表。休業した企業が報告対象となっていたほか、虚偽のデータの報告が判明したといい、すでに事態を把握している。
香港を介した貿易統計の水増しなど、中国では経済統計の信頼を揺るがす事態が相次いで発覚している。中国政府にとって、対処は急務だ。
小役人の“利己ノミクス”
日本のアベノミクスを意識して、中国国内では自国の経済政策を「リコノミクス」と称している。李克強(り・こくきょう)首相の経済政策にひっかけた造語で、中国では今年上半期の経済10大流行語に選ばれたそうだ。