一例を挙げれば、「自由貿易試験区」の上海での9月29日の設置式典に、当初は出席予定だった李首相が姿を見せなかった。規制緩和に反発する「国内の既得権益層との調整がつかず、李首相は守旧派に配慮して欠席した」(関係筋)という。スタート時点からして“股裂き状態”にあるとみてもいい。
こうした事態を、みずほコーポレート銀行(中国)の細川美穂子主任研究員は「(左派と右派をにらんでの)習氏の絶妙なバランス感覚」と受け止めている。その通りだとしても、政治も経済も綱渡りの中国で習指導部がバランスを崩さず、3中総会を起点に中長期的に改革を実行していけるかどうか。予断を許さない。(上海 河崎真澄)