人の腰まで水位が上がった村。船で行き来する人も=カンボジア西部バッタンバン州(シャンティ国際ボランティア会提供)【拡大】
9月初旬に発表されたアジア開発銀行(ADB)の経済成長予測は、カンボジアの農業セクターについて4%の順調な成長を見込んでいるが、洪水によるダメージが懸念される。
また、コメ以外の主要産品であるキャッサバなどの農地も1万1000ヘクタール以上が被害を受けた。カンボジアのキャッサバは洪水の影響を受ける以前の今年前半、輸出量が激減している。主要輸出先のタイに余剰があったためで、輸出額も今年1月から8月までで1510万ドル(約14億8000万円)となり、前年同期と比べ半減した。洪水の被害でキャッサバ農家はさらに打撃を受けそうだ。
カンボジアは2011年にも深刻な洪水被害に見舞われた。11年の洪水は、タイ、ベトナムなど広範囲にわたり、史上最悪規模の被害を出した。カンボジアでは全国で250人が死亡、農作物やインフラへの被害額は5億ドル以上に及んだ。
2年前の再来
今回の洪水も、カンボジア国内では11年に匹敵する規模といわれ、タイと国境を接するバッタンバン州やバンテアイミエンチェイ州では11年の洪水よりも厳しい状況とされる。特にバッタンバン州は、州内14郡のすべてが被災し、多くの世帯が避難しているという。