その結果、患者と家族は医者に対し普段から不信感をもっており、患者の身に何かが起きれば、本人や親族の憤懣(ふんまん)は医者と医院に向いてしまうのである。
自分自身が医院の経営者であり、医者でもある陳氏がこう語るのだから、かなりの説得力があろう。実際、中国の医療界の腐敗には目を覆うばかりのひどさがある。
たとえば今年8月、陝西省渭南市富平県の産婦人科医院で、医師が「赤ちゃんに先天的な伝染病や障害がある」と母親や家族に告げ、生まれたばかりの健康な赤ちゃんを人に売った事件が起きた。
9月には、北京市海淀区にある病院で、患者が逆に医者から暴力を振るわれ、医者・病院職員と患者家族との大乱闘が起きるような出来事もあった。
とにかく中国では今、医者や医院が患者とその家族を食い物にする腐敗が広がる一方、患者と家族の医者・医院に対する不信感と憎悪が高まり、それが結局、人の命を救うための医院を暴力と殺人の場にしてしまった。