自民党税制調査会は20日開く総会から、平成26年度税制改正の議論を本格化する。消費税増税に伴う、自動車課税と地方法人税の見直しに加え、生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の制度設計が議論の焦点となる。ただ、いずれのテーマも関係者の利害が激しくぶつかりあっている。12月中旬の与党税制改正大綱の策定に向け、調整が難航するのは必至の状況だ。
「(26年度の税制改正作業は)2段階になる」
18日、浜松市内で講演した自民党の野田毅税調会長はこう述べた。今回の作業の中でまず優先して取り組むのが、復興特別法人税の1年前倒し廃止の議論だ。
東日本大震災の被災地復興のため法人税額に10%上乗せ課税されており、前倒し廃止されれば企業にとって9千億円の負担減になる。政府は、来年4月の消費税増税後の景気への影響を和らげるには賃上げが不可欠と見ており、同税廃止が確実に賃上げにつながるかを確認した上で、12月上旬に廃止の結論を出す。
同税廃止決定後、他の税制項目の見直しの検討に入る。その中でも難航が見込まれるのが自動車課税の軽減問題だ。
1月にまとめた平成25年度与党税制改正大綱では、消費税と二重課税の批判がある自動車取得税について、消費税率8%時点でエコカー減税を拡充し、10%段階で取得税を廃止するとの方針が明記された。
取得税について、自動車業界は、消費税率8%時点で増税分と同じ3%分を引き下げて、消費税率10%時点での廃止を求めている。
一方、取得税廃止により年1900億円もの税収が失われる地方自治体は代替財源の確保を強く主張。総務省は取得税の減税分を補うため、同じ地方税の軽自動車税を増税する方針を打ち出しているが、これに軽自動車業界は猛反発している。地方と業界の思惑が複雑に絡み合う中、自動車課税の見直しは波乱含みだ。
一方、消費税増税で広がる都市と地方の税収格差是正に向けた対策も焦点だ。税収の豊かな東京都などの法人住民税(地方税)を一部国税化した上で、税収の少ない地方自治体に地方交付税として再配分する案などを軸に調整を急ぐ。
アジアや欧州の各国に比べて高い水準にある法人税の実効税率引き下げに向けた議論も本格化。設備投資の拡大につなげるため、新たに購入した機械・装置の固定資産税(地方税)を減免する措置も検討する。