【ワシントン=柿内公輔】世界規模で航空業界に大きな再編のうねりが起きている。主役は航空大手が3社に集約された米国と、躍進する中東や成長市場のアジアで、欧州も再編機運が高まってきた。航空連合の綱引きも激しさを増し、大空の覇権争いは国境を飛び越え熱気を帯びている。
≪米国≫3強が競り合う
アメリカン航空の親会社AMRとUSエアウェイズが今月合併して誕生した新生アメリカン航空。米ユナイテッド航空と米デルタ航空を抜き世界最大手に立ったが、「3強」の有償旅客距離はほぼ互角だ。
米国内にもはや再編の余地はなくなり、フルフラット座席の拡充などサービス競争が進む一方、「一歩抜け出すための海外戦略の強化」(アメリカン幹部)が各陣営に共通する課題で、提携も重要な戦略だ。デルタが英ヴァージン・アトランティック航空へ49%の出資を決めたのも、共同運航を通じて手薄な大西洋路線を強化する狙いがある。