党中央が資金配分を全面コントロールし、党官僚が支配する地方政府や国有企業にカネを流し込んで開発・投資を促進する。中央銀行である中国人民銀行は人民元を乱発するわけではない。流入する外貨ドルの量に応じて人民元を発行する。人民銀行の資金追加供給が米国FRB(連邦準備制度理事会)の資金供給増加量に連動していることが左ページ上のグラフから読み取れる。FRBは2008年9月のリーマン・ショック後から現在に至るまで3回の量的緩和政策を実施しているが、余剰ドルの多くが中国に流入しているわけである。
党による裁量経済は利権が付きものだ。習近平総書記は「ハエ(小物)もトラ(大物)も」退治すると宣言して、薄煕来元重慶市書記を刑務所に送り込んだが、いわゆる権力闘争の域を出ない。政敵の派閥の不正を摘発するのが常態だ。
汚職腐敗の温床である政治制度の改革は、党支配による経済モデルを自ら壊すことになるので、不可能だ。ならば不正蓄財は不可避である。この不正蓄財資金を国内投資に向かわせる政策が現実的だと、プラグマチックな党官僚エリートたちが考えたのだろう。