建設が進むミンガラー・マンダレー・プロジェクトの現場=マンダレー市内(宮野弘之撮影)【拡大】
12年秋にスタートした第1期工事は約20ヘクタールの土地に外資系ホテルやオフィス、ショッピングモール、銀行などを建設。2期ではコンドミニアムやサービスアパートなどを建設する。すでに1期分はほぼ売り切れ、4月からコンドミニアムなどの販売を始めるという。オフィスや店舗部分の買い手を聞くと、「ほとんどが中国企業」だ。
ただ、地域はマンダレー南部とはいえ、国際空港までは約40キロ、車でも1時間弱はかかる。交通の便について尋ねると、担当者は、西側に隣接する国内線専用のチャンミャサージ空港の再活用が検討されていると話した。同空港は2000メートル滑走路があるだけで、現在はミャンマー航空の短距離国内線が離着陸しているが、拡張も検討している。
さらに、マンダレー市街から西へ約60キロのミョータには、工業団地の建設が進む。第1期は2000エーカー(約810ヘクタール)、25年までにさらに8353エーカー(3380ヘクタール)を開発する計画だ。これは、ヤンゴンのティラワ経済特区(約2400ヘクタール)を大きく上回る規模だ。
◆30年間の運営事業
こうしたなか、マンダレーでは日本の存在感は薄い。1990年代半ば、マンダレーの都市開発計画(スター・ルビー・プロジェクト)作りを千代田化工建設が行った。MCDCは「現在の都市開発は、千代田化工建設の計画を基に進められている」というが、現在進行中の開発には日本企業がほとんど絡んでいないのが実態だ。
今回、三菱商事とJALUX(ジャルックス)がマンダレー国際空港の補修・改善、さらに30年間の運営事業を行うことになったが「上下水道整備など、マンダレーでの支援はこれから検討する」(国際協力機構=JICA)という。