建設が進むミンガラー・マンダレー・プロジェクトの現場=マンダレー市内(宮野弘之撮影)【拡大】
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■交通の要衝、マンダレー ガスパイプラインで中国に権益
マンダレー国際空港はマンダレー中心部から南へ約40キロ。マンダレーからネピドー、ヤンゴンを結ぶ高速道路脇にある。市中心部からも車で約1時間かかり、畑が広がるだけで何もない場所だ。その近くに突然、現れるのが東南アジアガスパイプラインカンパニー(SEAGP)だ。
◆エネルギー改善期待
同社は中国とミャンマーの合弁企業で、ミャンマー西部のラカイン州チャオピューの港から中国国境まで約800キロに及ぶ「シュエ・ガス・パイプライン」の建設・管理を行う。昨年7月、マンダレーで行われたガス開通記念式典には、ニャン・トゥン副大統領も出席し、「ガスパイプラインによって、中国のエネルギー不足を助けることができる。これは相互利益につながる」と中国の投資によるパイプライン建設を高く評価した。
「以前、中国人労働者は旧王宮近くに集中していたが、昨年から、みんなここに移ってきた」と話すのは、ガイドを務めてくれた地元旅行業を営むコ・ジー氏だ。中国・ミャンマー両国政府は、パイプラインができれば、ミャンマーのエネルギー事情も改善されるとしていたが、「停電も相変わらずで、今のところ何の恩恵もない」(同氏)と冷ややかだ。
マンダレーは古都とはいえ、旧王宮の保存も十分ではなく、ホテルも整っていない。その一方でヤンゴンと異なり、マンダレーにはバイク規制がない。日本製の中古自動車もヤンゴンで買うよりわずかに高いだけだ。その結果、あふれるバイクと自動車で、朝夕の交通渋滞はヤンゴン並みだ。