10年以降、カンボジアはベトナムやタイ、ラオスからの輸入電力が供給量の6割を超える年もあり、近隣諸国と比較して電気料金は割高になっている。また、全国的な送電網がないため電化率の地域格差も大きい。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の12年の資料によると、同国の世帯電化率は22.7%(都市部54%、農村部12%)にとどまっている。
同国政府の予測ではカンボジアの電力需要は12年の106万キロワット時から20年には277万キロワット時に増加する見通しだ。
また、カンボジアが目指す外国企業の誘致や産業近代化の実現には電力の安定供給が欠かせないことから、今後は首都だけでなく全国的な整備も必要となる。電力をめぐるカンボジアの取り組みは、まだ始まったばかりといえそうだ。(シンガポール支局)