一方、国の肝煎りによる一円玉の流通増を商機として活用しようとの動きも出てきた。高島屋新宿店(東京都渋谷区)は、財布売り場で、がま口タイプなど小銭が多く入る商品を集めたコーナーを設置予定。松屋銀座本店(東京都中央区)も、紳士向け小銭入れの商品数を増やした。増税前の駆け込み購入も見込めるため、今月から店頭での販売点数を増やしている。
「財布の小銭を増やしたくない」という消費者心理を背景に、攻勢をかけるのは電子マネーの運営企業。JR東日本は4月以降、券売機で購入する東京近郊のきっぷ運賃を10円単位で値上げする一方、「Suica(スイカ)」などのIC乗車券は、1円単位の値上げで利用促進を図る。
ディスカウント大手のドン・キホーテは、全国のドン・キホーテや長崎屋などで共通利用できる電子マネー「majica(マジカ)」を18日から導入し、初年度で100万人の会員獲得を目指す。
野村総合研究所の冨田勝己上級コンサルタントは、「電子マネーのマーケティング活用や囲い込み効果を生かすには、利用件数の拡大が必要。消費増税は『小銭いらず』のプラスアルファを強調しやすい時期で、普及が一段と進む可能性がある」と話している。