このため日豪EPA交渉でも、米国が5分野のうち最も重視する牛肉で関税を引き下げる譲歩案を豪州に提示。豪州への関税引き下げが実現すれば不利になる米国の焦りを誘い、TPP交渉も豪州と同等の関税率で合意に持ち込みたい考えだ。
一方、豪州側はEPAの早期妥結で、牛肉市場のライバルである米国との価格競争で優位に立ちたい事情がある。日本の牛肉消費量の6割前後を占める輸入のうち、豪州産は5割以上を占めてきた。だが、日本が昨年2月にBSE(牛海綿状脳症)のため規制してきた米国産の輸入対象を拡大して以降、「豪州産は米国産に大きくシェアを奪われている」(交渉関係者)。
日豪両国は4月にEPA交渉で大筋合意して夏頃に正式に締結し、2015年の発効を目指す。EPAで貿易自由化への道筋を付けられるかどうかがTPP交渉の停滞を打破する鍵となる。