これまで、国内景気は企業業績の回復を背景に着実に持ち直してきた。実質国内総生産(GDP)は、25年10~12月期まで5四半期連続で前期比プラス成長が続き、26年1~3月期も大幅な伸びが予想される。問題は増税後の4~6月以降の景気腰折れをどれだけ食い止められるかだ。
専門家の見解は4~6月はマイナス成長が避けられないとの認識で一致する。このため政府は、景気落ち込みを最小限とする目的で26年度上期に予算を集中的に配分した。5・5兆円の経済対策は6月末までに7割程度執行し、26年度当初予算も公共事業費など12兆円の4割以上を、6月末までに執行する目標だ。
この施策が進めば、6月以降はプラス成長に転じ、消費税率10%の下地が整う。甘利明経済再生担当相は1日の会見で、予算の早期執行により「6月が来た時点ではいい数字になる」と期待を寄せた。
「2%成長」カギ
ただ、ハードルは残る。消費税増税法の付則には、税率引き上げに向けた経済成長率の目安として「実質2%、名目3%」と明記された。中長期的に達成可能な日本の潜在成長率は0・8%と1980年代の5分の1に落ち込んでおり、実質2%は容易な目標ではないからだ。
消費税率10%への引き上げに必要な7~9月の実質GDP成長率について、浜田宏一内閣官房参与は「2~3%程度」、本田悦朗内閣官房参与も「3%」が必要との認識を示す。
公共事業では人手不足などによる入札不調も相次いでおり、予算の早期執行には懸念も残る。景気回復に手間取れば、税率引き上げの先送りも現実味を帯びてくる。(今井裕治)