米国も各国に置く農産物貿易事務所が自国産品をアピール。日本でも米国産牛肉に合う日本酒を紹介するイベントを開くなど、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)といった通商交渉とは別にPR活動にも余念がない。
これらに対抗し、輸出量を拡大していくには「これまでのように各地方自治体が個別に売り込み、過当競争で価格下落を招いたり、足を引っ張っている場合ではない」(政府関係者)。
民間も危機感を共有する。丸紅は全日本空輸や青果物卸の万果、ベジテックなどと組み、輸出に向けた協議会を旗揚げ。ブランド作りでノウハウのある博報堂や物流事業者など異業種同士でノウハウを持ち寄る。伊藤忠商事はアジアで知名度のある米ドールブランドを活用して日本産を売り込む作戦で鳥取県と協力協定を結んだ。
ただ、1兆円の目標達成は簡単ではない。各国ごとに異なる検疫基準や、イスラム教徒が食べられる「ハラル認証」などへの対応も迫られる。いかに付加価値を高め、日本食をこれまで以上に世界に浸透させられるか、官民をあげた総力戦は始まったばかりだ。(上原すみ子)