しばらく徐行して進んでいると、側面に「海洋警察」と書かれたオレンジ色のボートが急接近してきた。記者が乗った釣り船にぶつかると、乗組員が「接近しすぎるな」と大声で怒鳴って走り去った。
時計を見ると、異常が起きた「セウォル号」が救難要請信号を発した午前9時前に近づいていた。
この海の下に、大勢の人々を乗せた巨大な船が転覆して沈んでいる。そう思った途端、釣り船が大きく揺れた。
冷たい手すりにつかまっていなければ海に投げ出されてしまいそうな激しさだ。もしも自分が乗った船が突然沈み、暗い船室に閉じ込められたら…。そんな恐怖感にとらわれた。