【珍島(韓国南西部)=加藤達也】300人を超す死者・行方不明者を出した韓国・珍島沖の旅客船沈没事故が社会の安全重視を掲げている朴槿恵(パク・クネ)政権に打撃を与えている。韓国各紙は「韓国は『三流国家』だった」「国民が不信の烙印(らくいん)を押した“じたばた政府”」などの見出しを掲げた記事を相次いで掲載、政権の対応を批判している。
鄭首相「罪人になった気分」
韓国紙、朝鮮日報は、「国民は政府関係者の事故対応能力がいかに低レベルかを改めて知った」などとし、朴政権が日本の総務省に近い役割とされる「行政安全省」を国民の安全が最優先との方針から「安全行政省」に変更したにもかかわらず、「このざまだ」と批判した。
発表内容の相次ぐ訂正も不信を買っている。乗船者数の把握には3日ほどかかり、船内にダイバーがまだ進入できていなかった18日には「船内で捜索を始めた」と発表、数時間後に撤回した。