日米両政府は22日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり、東京都内で2国間の事務レベル協議を続けた。ただ、甘利明TPP担当相が同日の記者会見で大筋合意までには「かなりの距離感を感じている」と述べるなど、日本の重要農産品5分野の関税や自動車の扱いに関する両国の主張の溝は埋まっておらず、24日の日米首脳会談で大筋合意を表明するのは厳しい状況となっている。
事務協議では、大江博首席交渉官代理と米通商代表部(USTR)カトラー次席代表代行が妥協点を模索した。協議後、大江氏は「まだまだ詰めるべきところが残り(双方の)開きはかなりある」とした上で、首脳会談までに「米国が(譲歩して)降りてくれば急に間合いが詰まるかもしれないが、今はそういう状況にない」と話した。
事務協議は23日も続ける見通し。前進があれば、23日に来日予定のフロマンUSTR代表と甘利氏が会談する可能性もある。
甘利氏は会見で、大筋合意の意味合いを「日米がもめている5分野と自動車で(決着の)見通しが立つかそれに近いこと」と説明。安倍晋三首相とオバマ米大統領が会談後に表明する内容に関しては「安全保障と経済に関する日米協力が柱の一つになる」と述べるにとどめた。
フロマン氏は大統領に随行し22~29日の日程で日本、韓国などアジア4カ国を訪問する。