上海の中国人向け月刊誌「行楽」4月号。日本各地の桜の名所が特集された【拡大】
春秋航空が日中間の国際線を大幅に拡大する経営戦略をとるのも、王氏の旅行会社トップの経験からくる中国人の旅行パターンの変化予測に基づいたものだ。春秋航空は6月に日本の国内線にも参入するが、中国から成田空港や関西空港着で日本に入り、東京や大阪には何度も訪れたリピーターの中国人観光客を日本の地方都市に運ぶ狙いがある。温泉や料理、伝統は地方にこそ魅力がある。
中国当局があおる反日感情に一般の中国人はそう簡単には振り回されなくなった、と受け止めることもできる。実際、安倍首相の靖国参拝後も懸念された反日デモは起きず、12年のような訪日観光客数の激減は起きなかった。むしろ訪日数が増え続けているのは、2年前とは正反対の動きが中国の中で起きていると判断してもいいだろう。
リピーターは地方へ
13年1月に上海で発行が始まった月刊誌「行楽」。20万部の発行部数を誇るカラー刷りの美しい雑誌だが、中国では異例ながらもっぱら「訪日観光」を扱っている。同誌のチーフプロデューサーの袁静さんは「政治問題と民間交流は別次元の話と考える中国人が今後も増えると確信している」と断言する。