韓国の情報通信大手KTが過去10年で計3度、計2千万人以上の顧客情報を流出させ、国民の不信を買っているという。しかも子会社の社員が3千億ウォン(300億円)もの融資詐欺事件に関与していた。情報を扱う企業の杜撰(ずさん)な情報管理と、社員の倫理観の乏しさ…。他国を信用させない国・韓国を象徴する出来事でもあった。
情報流出を1年間も放置…
中央日報(電子版)や米CNN(電子版)などによると、KTは3月初旬、ハッカーに1年間で加入者の4分の3にあたる1200万人分の顧客情報を盗み出されていたことが判明した。警察当局は事件に関わっていた29歳と37歳の男を逮捕した。
29歳の男は自作のプログラムでKTのコンピューターシステムに侵入。情報を盗み、これを電話勧誘業の37歳の男に売り渡した。男は顧客に電話し、携帯電話を販売。2人は計115億ウォン(約11億円)も売り上げていたとされる。
ところが、KTが顧客情報を大量流出させたのは、これが初めてではなかった。過去10年間で今回が3度目。中央日報によると、同社はまず2004年に92万人分、12年に877万人分の個人情報をそれぞれ大量流出させている。