13年に4人に1人だった65歳以上の比率は35年に3人に1人となるなど少子高齢化は待ったなし。貴重な人材であるはずの女性の専業主婦願望の高まりや管理職を敬遠する実態は、女性を“活用”する取り組みだけでなく、根本的な働き方の変革を待ち望む声の裏返しといえる。
■現実と向き合う声に耳傾けよ
安倍晋三首相が女性活用を経済政策の中核に据えてから約1年。政府の政策や企業の取り組みを取材してきて、気になったのは当の女性たちの冷め方だ。
子供の発熱で保育所からかかる携帯電話の呼び出しにヒヤヒヤしたり、保育所で夕食を終えて最後の1人になるまで待っている子供を迎えに行くたび後ろめたい気持ちになったり、同期の男性が妻に育児も家事も任せる一方で仕事を選んだ女性は独身だったり-。目の前の「現実」と向き合う女性には、聞こえがよい政策はどこか遠い世界の話に思えるようだ。
安倍首相の「育児休業3年」の呼びかけは「会社の実態を理解していない」と、すこぶる評判が悪かった。今のままでは、3年休めば復職が困難になるだけだ。政府内では配偶者控除の見直し議論が始まったが、保育所不足解消を含む女性の働く環境整備が伴わないことには、単なる増税になりかねない。政府のかけ声と実態のちぐはぐさに、今の日本の限界を感じる。