これに対し、国の耐震指針作りに携わった入倉孝次郎・京都大名誉教授(強震動学)は「暴論。国内最大の揺れが観測されたのは軟らかい地盤で、原発が立つ硬い地盤とは揺れ方が異なる」と主張。その上で「原発は事故を前提に多重防護と呼ぶ何段階もの安全対策が義務づけられている。1260ガルを超す地震が発生しても、すぐにメルトダウンにはならない」と反論した。
判決では、4原発が2005年以降に基準地震動を超える揺れに5回見舞われたことも指摘したが、原子炉などに大きな損傷はなかった。入倉氏は「東京電力福島第1原発の事故は地震の揺れではなく、津波の被害」との見方を示した。
森嶌昭夫・名古屋大名誉教授(民法・環境法)は「絶対的な安全を求めている。運転を差し止めるだけの具体的な危険が本当にあるのか」と疑問を投げかける。
エネルギー政策に詳しい沢昭裕・21世紀政策研究所研究主幹も「原発を稼働させるのは危ないという判決だが、原発の危険度は停止していても同じ」と反論。また「多数の人の生存そのものにかかわる権利と電気代の高低を並べて論じることは許されない」と結論づけた判決には「原発停止による電力不足の観点が欠けている。大規模停電が発生すれば生命の危機だ」と批判した。