政治混乱のタイ、新車販売激減 ホテルなど10万社以上の企業が影響か (4/4ページ)

2014.5.27 06:20

政府高官人事での職権乱用で憲法裁判所が違憲・失職判決を下した後に記者会見するインラック前首相。自身の仕事内容について「満足している」としながらも、時折、無念さをにじませた=タイ首相府のウェブサイトから

政府高官人事での職権乱用で憲法裁判所が違憲・失職判決を下した後に記者会見するインラック前首相。自身の仕事内容について「満足している」としながらも、時折、無念さをにじませた=タイ首相府のウェブサイトから【拡大】

  • 首相失職判決を受け、インラック政権を支持してきた反独裁民主戦線(UDD、通称、赤シャツ)が集会を行うなど反発を強めた=13日、バンコク郊外(小堀晋一撮影)

 事実上、市価の4割増しで買い上げる「コメ担保融資制度」の影響が強く指摘されているが、タイ産米の生産性の低さも原因とされる。タイ産の単価は、コメ輸出で世界2位のベトナム産の1.5倍と高いものの、生産コストは逆に倍以上で利益は半分しかない。面積比収穫量もベトナム産の半分程度にとどまる。コメの買い上げという「ばらまき政策」に明け暮れ、農業技術指導を後回しにしてきたツケが、こうしたところにも表れている。

 政府の「大衆迎合策」は家計債務も拡大させている。タイ中銀の調べで、13年末の家計債務残高は約9兆7900億バーツ(約30兆6430億円)。GDPに占める割合は82.3%で前年末から4.8ポイントも悪化した。14年も家計債務が拡大する見通しだといい、内需にも期待が持てないのが現状だ。

 インラック前首相の失職を受けて、米国の格付け会社ムーディーズは、最新の見通しとしてタイの格付けが今後引き下げられる可能性があることに言及した。現在は「Baa1」(BBB+に相当)、見通しは「安定的」とされるタイの信用格付けだが、政治混乱が長引く中、「気が付けば投機水準」といった事態もどうやらあり得ない話ではなさそうだ。(在バンコク・ジャーナリスト 小堀晋一)

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