電力小売りを全面自由化する改正電気事業法が11日成立し、2016年にも家庭が電力会社を選択できる時代が到来する。大手電力の「地域独占」を完全になくす歴史的な制度変更。政府は、電力事業への新規参入者を増やすことで、サービスや価格の競争活発化を狙う。ガスや通信、保険などさまざまな家庭向けサービスの「丸ごと販売」も始まりそうだ。
人件費や設備投資などの費用に一定の利益を上乗せして電気料金を計算する「総括原価方式」は戦前に導入された。政府は戦後、全国の10電力が発電から送配電、小売りまでを一手に担う「地域独占」の仕組みをつくった。全国で電気が慢性的に不足する中、強力な電力会社をつくって安定供給網を整えることが最優先だったからだ。
しかし、価格競争のない地域独占体制と総括原価方式が長く続いた結果、欧米に比べて電気料金が高止まりしたため、2000年からは企業向けの電力小売りが段階的に自由化されてきた。