ニュージーランドのキー首相(左)と握手を交わす安倍晋三首相=7日、オークランド(共同)【拡大】
安倍晋三首相は7日(日本時間同)、ニュージーランドのキー首相とオークランド市で会談し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐり、可能な限り早期の妥結を目指して連携する方針を確認した。ただ、キー首相は会談後の共同記者会見で「(11月の)米国の中間選挙前に妥結はしないだろう」との見通しを表明。交渉を主導する米国が描いている今夏の妥結シナリオは、実現が難しくなっている情勢を裏付ける格好となった。
TPP交渉はここにきて、米中間選挙後に妥結がずれ込むとの見方が参加国の間で強まっている。キー首相は会見で「数カ月は交渉が続く」とも語り、今夏の妥結は難しいとの認識を示した。
背景には、米中間選挙が迫るにつれて米オバマ政権がTPP交渉を進めにくくなっている事情がある。交渉が難航する分野で日本や新興国に対して安易に譲歩すれば、米国内の業界団体などの批判を招き、与党・民主党が選挙で不利な戦いを強いられかねない。このためオバマ大統領は6月、TPP交渉の協定文書案を11月までに作成して米議会に提示する方針を示し、妥結に向けて中間選挙後に交渉を加速させる考えをにじませた。