閣議に臨む安倍首相(中央)ら=25日午前、首相官邸【拡大】
政府は25日、平成27年度予算の概算要求基準(シーリング)を閣議了解した。来年10月の消費税率の引き上げの判断が年末にずれ込むことや、法人実効税率の引き下げの詳細が決まっていないことから前年と同様、例年は概算要求段階で決めている予算総額は決めず歳出の上限は設けない。
概算要求は8月末に締め切られ、年末にかけて各省庁からの要求を財務省が査定する。予算の要求総額は26年度当初予算の95.9兆円を上回り、初めて100兆円を突破する見込み。
概算要求基準では、26年度で14.7兆円だった公共事業などの裁量的経費について、一律10%削減する。その上で削減後の金額の30%程度を、人口減対策や農業など成長戦略の実施に向けた重点施策に、予算を優先的に配分する「特別枠」を設け、最大4兆円を要求できる仕組みにする。
社会保障費は、高齢化に伴い年金や医療の支出が増える「自然増」は、景気回復で失業手当や生活保護の支給が減る見込みのため、前年度(9900億円)比1600億円減の8300億円とした。概算要求段階では26年度の社会保障費(29.3兆円)に自然増を加えた分まで要求を認める。
一方、同日開かれた経済財政諮問会議で、政府は財政健全化の方向性を示す中長期試算を提示した。今後10年間、国内総生産(GDP)成長率が名目で3%、実質で2%という高い成長が続いても、32年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は11兆円の赤字が残る見通し。