高齢者の活用も欠かせない。日常的に介護なしで生活できる「健康寿命」は22年時点で男性が70・42歳、女性は73・62歳。企業の雇用義務年齢である65歳を超えてなお、働きたい意欲と能力のある高齢者は少なくないとみられる。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは今回の白書の方向性を評価しつつも、「非正規社員が増えてきた原因や正社員との格差是正といった構造問題への分析や言及は不十分」と注文をつける。
白書は、育児対策の充実だけでも女性の労働力人口を約100万人増やせると分析。高齢者についても、高度な技能や専門知識を持つ高齢者が企業で長く働くことが労働生産性にとっても有利に働くとしている。個々の労働者が希望する柔軟な働き方を可能とする制度づくりができるか。労働分野や社会保障制度での大胆な改革が求められる。(永田岳彦)