金融庁が地方銀行の経営体力の強化に本腰を入れ始めた。人口減少で地銀の貸出残高が減少すると予想される中、収益性が低下し経営が不安定になれば地域経済を下押しするおそれがあるためだ。検査・監督を通じて、地銀の再編・連携も視野に持続可能なビジネスモデルへの転換を促す。(小川真由美)
金融庁はこれまで別々だった検査局と監督局の職員を9月にワンフロアに集約する。法令順守や財務面など個別事案を集中的に検証する検査局職員と、事業内容など業務を日常的にモニタリングしている監督局職員が一体で地銀各行の経営課題を洗い出し、必要に応じてすみやかに立ち入り検査を行えるようにする。
担保を前提にした融資のあり方も見直すよう促す。
取引先企業の事業の成長可能性を検証し、会計士や企業再生の専門家を派遣したり、海外販路の開拓事例を紹介するなどし、顧客企業の経営改善につなげることで成長分野への新規融資を増やす。事業の相乗効果が見込めれば、地銀同士の再編や連携も模索する方針だ。
金融庁によると地銀の平成25年3月期の中小企業向け融資は、貸出金利から調達コストや経費を差し引いた収支が計106行の2割強で赤字だった。37年の中小企業向け貸出残高も12年と比べて、全ての都道府県で減少。17自治体が15~20%減少し、3自治体は20~25%減少すると予測する。
融資拡大に各行は躍起だが、すでに足元の貸出残高の伸びは鈍化しており、人口減少が進めば貸出残高の減少に拍車がかかる。