インターネットバンキングの不正送金による法人企業の被害補償について、みずほ銀行は1日、補償額に1企業当たり年5千万円の上限を設ける方針を発表した。全国銀行協会(全銀協)が先月、被害企業に対する補償の指針をまとめたことを受けたものだ。だが、「一律に上限を設けるのは顧客本位の経営判断といえるのか」(大手行幹部)など、業界内には上限設定に否定的な意見もある。銀行によって補償対応に大きな違いが出れば、顧客に混乱を招く恐れもある。
ネットバンキングの不正送金被害に対し、銀行は、個人については過失がなければ原則として全額補償する一方、これまで企業への補償はほとんど行っていなかった。
しかし全銀協は先月、企業被害の急増を受けて、企業に対しても業界として基本的に補償に応じる方針を表明。ネットバンキングのパスワードを定期的に変更すること、「ウィンドウズXP」などサポートが終了したソフトを使わないことなど、補償に応じる具体的な条件を指針としてまとめた。
これを受け、大手行の大半は補償に応じる方針を固めたもようで、みずほ銀行は3大銀行グループの先陣を切って補償上限を正式に決めた。
全銀協の指針は補償額の考え方については言及しておらず、上限設定について、みずほ銀は「過去の被害額を考慮すると、5千万円なら十分カバーできる」(e-ビジネス営業部)として、額を決めたという。