慰安婦問題で「吉田証言」に踊った人たち 記事取り消しの意味 (2/4ページ)

2014.8.9 17:20

 「前回の検証(97年3月31日)では吉田証言に関して『真偽は確認できない』と抑え気味だったが、今回は『虚偽だと判断し、記事を取り消します。当時、虚偽の証言を見抜けませんでした』と改めた。謝罪の言がないことに不満の人もいようが、画期的だと評価する人も多かろう」

 吉田氏のことを「腹がすわっている」などと持ち上げ、国内外に広めた朝日がその証言を否定したのだから、今後は吉田証言に依拠して慰安婦強制連行説を唱える論者はそうそう出てこないだろう。

 それにしても慰安婦問題を考えるとき、吉田証言に食いつき、これを利用して日本たたきを展開した識者の多さに気が遠くなる。

 吉田氏は、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野談話作成時には政府のヒアリング(聞き取り)対象となったし、国連人権委員会(当時)に提出され、慰安婦を「性奴隷」と認定した8年の「クマラスワミ報告」でも引用されている。

 日本に批判的なオーストラリア人ジャーナリスト、ジョージ・ヒックスの事実誤認の多い著書「慰安婦」でも、参考文献として吉田氏の本が記載されている。4年7月の日本弁護士連合会人権部会報告でも吉田氏の著書が引用された。

「その証言は歴史的にも非常に大きな意義がある」

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